ThermaSMART(九州大学)
九州大学高田先生へのインタビュー記事についてはこちらをご覧ください
プロジェクトの目的
あらゆる電子機器は使うと発熱し、同時に冷却のためにもエネルギーを使っている。この熱移動の際に生じる温度差を少なくし、少ないエネルギーで熱移動を実現させるため、エタノールの気液相変化を使う方法を考案。実証されれば、電子機器の冷却の省エネルギーとなり、CO2の削減にもつながる。
日欧協力について
九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 副所長 高田 保之様
2015年にエジンバラ大(スコットランド)のケリル・セフィアン教授から「一緒に研究しないか」と誘われて参加しました。2019年までの研究プロジェクト「ThermaPOWER」に続いて2回目の参加です。
Horizon 2020に採択されると、EU内の若い研究者に対して渡航費が補助されるので、欧州の学生が頻繁にやってきます。2018年はエジンバラ大からドクター2人、2019年はノッティンガム大(英国)からドクター2人、ダブリン大(同)から講師が、ポーランドからも研究者が福岡にやってきました。若い研究者が交流すると、実験のノウハウが蓄積するし、互いに学べることも多い。研究テーマが広がります。
エジンバラ大から来て九州大のポスドクをしていたスペイン人研究者は2018年からエジンバラ大の講師になりました。逆に、エジンバラ大に留学していた学生が2019年から九州大の助教になるなど、Horizon 2020効果で若い研究者のネットワークが出来上がりつつあります。
その成果として、最近の学生は日本から出たがらない傾向がありますが、私の研究室からは2015年以降で3人が海外留学を希望しました。留学した学生は研究の力だけでなく、社交的になって帰ってきます。うれしいことです。
私自身もHorizon 2020を通じて海外と交流することで、サイエンスの話だけでなく、若い研究者の指導法について考えさせられました。学位論文やプレゼン資料はできるだけ英語で書くよう指導しています。2018年にはセフィアン教授を博士論文審査の調査員に招くなど、研究室内を国際的な雰囲気にすることを目指しています。
海外との交流を増やしたいと考えておられる研究者には、参加者が30人〜70人ほどの小さい国際会議に続けて参加することを勧めています。小さい会議だと、より研究テーマが近い人と英語で会話することが必要になります。臆せず会話することで、共同研究につながる確率が高くなります。
Project Details
- Pillar: Excellent Science
- Period: From 2017-12-01 to 2023-05-31
- Total cost: EUR 1,962,000
- EU contribution: EUR 1,723,500
Project Participants
Coordination:
- THE UNIVERSITY OF EDINBURGH (United Kingdom)
Organisations related to the project:
- THE UNIVERSITY OF NOTTINGHAM (United Kingdom)
- UNIVERSITY COLLEGE DUBLIN, NATIONAL UNIVERSITY OF IRELAND, DUBLIN (Ireland)
- INSTYTUT FIZYKI POLSKIEJ AKADEMII NAUK (Poland)
- FLOW CAPTURE AS (Norway)
- ECOLE NORMALE SUPERIEURE PARIS-SACLAY (France)
- ELVESYS (France)
- CHERRY BIOTECH (France)
- CERVOS LIMITED (Ireland)
- UNIVERSITY OF PRETORIA (South Africa)
- YORK UNIVERSITY (Canada)
- University System of Maryland (United States)
- NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION KYUSHU UNIVERSITY (Japan)
- KOKURITSU DAIGAKU HOJIN KOBE DAIGAKU (Japan)
- Universidade do Estado do Rio de Janeiro (Brazil)
- TATA INSTITUTE OF FUNDAMENTAL RESEARCH*TIFR (India)
- TIANJIN UNIVERSITY OF COMMERCE (China)
- BOARD OF TRUSTEES OF THE LELAND STANFORD JUNIOR UNIVERSITY (United States)
- DALIAN MARITIME UNIVERSITY (China)
- UNIVERSIDADE FEDERAL DO RIO DE JANEIRO (Brazil)
- FACULDADES CATOLICAS ASSOCIACAO SEM FINS LUCRATIVOS (Brazil)
- My-AHA(東北大学、株式会社ジェイアイエヌ)
- CD-LINKS(国立環境研究所、地球環境産業技術研究機構)
- ECOTIP (北海道大学・東京大学)
- ZENCODE(理化学研究所)
- PROTINUS(熊本大学、埼玉大学)
- DDM-GNI (早稲田大学)
- INCAS(早稲田大学)
- ATLANTIC (筑波大学)
- JENNIFER 2(高エネルギー加速器研究機構)
- ThermaSMART(九州大学)
- CybSPEED(九州工業大学)
- DRYNET(農業・食品産業技術総合研究機構)
- NEWS(国立天文台)
- InRel-NPower (三重大学・九州大学)
- RAPID(大阪大学)
- SAFARI (日本電信電話株式会社)