日本からの参加例

My-AHA(東北大学、株式会社ジェイアイエヌ)

My-AHA – My Active and Healthy Aging

プロジェクト紹介映像

プロジェクトの目的

My-AHAプロジェクトは、高齢者の体の動きや認知機能、心理的状態、栄養及び睡眠などを改善して、フレイルの軽減を目指しています。本プロジェクトでは高齢者の日常生活で簡単に利用できるデータや埋込型センサーを使用したICTプラットフォームを通じて、フレイルのリスクを早く正確に見つけ、リスクが見つかった場合には、ICTを活用した治療法を提供します。

このプロジェクトの効果として、高齢者の方々が自ら上手に健康管理を行うことで、医療費の削減が期待されていることです。

このプロジェクトは、イタリア、ドイツ、スペイン、英国ほかヨーロッパ各地の研究組織、そしてオーストラリア、韓国、日本を加えた10カ国からなるコンソーシアムによって実施されています。日本からは株式会社ジェイアイエヌ、東北大学が参加しています。

My-AHAの日欧協力について

東北大学 加齢医学研究所 川島隆太教授

東北大学とイタリアのトリノ大学の間に学術協定があり、心理学領域ではずっと共同研究を行ってきました。これを基にして何か一緒にできないかということで、まず2校で今回の共同研究を始めましたが、Horizon 2020を組んで頂いたことで欧州の沢山の研究機関と一緒に共同研究する機会を得ることができました。

わが国の研究というのは割りと閉鎖的でしたが、今はグローバル化の中で欧州、米国などの研究機関と組んで国際共同研究をすることがとても大事だと思われています。今回のプロジェクトを通して我々のスタッフたちも様々な欧州の研究機関の人たちと付き合いコミュニケーションする機会を持てましたので、多様性をどんどん取り入れた欧州の人たちとお付き合いすることで、視野が広がり、本当にいろいろな見方が出来るようになりました。

Horizon 2020のようなマルチセンターな研究は難しい点も当然ありますが、これを上手く利用すると本当にチャネルが広がります。企業では、ビジネスチャンスも広がりますし、学者も自分たちとは異なるフィールドの学問を吸収するチャンスが訪れますので、是非積極的に参加してもらいたいと思います。欧州では、それぞれの分野で非常に突出した才能を持ち、業績を出している研究所があるという特色があります。これにより多くの研究所と組むことで、それぞれのトップの知識を得ることが出来るのではないかと思っています。

株式会社ジェイアイエヌ JINS MEMEグループ リーダー 清水唯史様

川島教授に、My-AHAのリードチームであるトリノ大学をご紹介いただいたものが、2014年秋のことです。JINS MEMEが開発されたのが2015年11月ですから、それより1年も前のことです。欧州を中心とした複数の大学・企業とのコンソーシアム、それも欧州基金の総額800億ユーロ規模のプログラムへのチャレンジと言う機会が、この時、一気に目の前に広がりました。高齢化という社会的な課題は欧州も共通です。欧州のコンソーシアムがその課題に挑むために、私たちのJINS MEMEが使われる。これは知的・商業的な興奮を超えて、社会に貢献したいという使命感に他ならないと思うのです。当社の欧州展開は2016年6月なのですが、My-AHAへの参画がなければ、実現しなかったかもしれません。

一番感じるのは、実はアカデミックな側面ではなく、欧州が歴史的・文化的に培ってきたmulti-nationalなマインドや姿勢です。その中に私達が参加していることは、私のみならず、日本にとってもプラスだと考えています。勿論、この点以外にも、私たちのJINS MEMEが国際社会の抱える高齢化という課題に対して何かしら貢献できるという期待と使命感があることは言うまでもありません。こういうグローバルな展開を通じて、そしてその貢献の結果として、JINSというブランドが世界に認知され、ビジネス上の果実につながることを目指しています。実際、JINS MEMEがHorizon 2020のプログラムの一つに参画しているということは、それだけでも大きなメッセージです。ただ、JINS MEMEとしても、My-AHAとしても、まだ結果は出ていませんから、果実を実らせるためにはこれから次第です。

Project Details

Project Participants

Coordination:

  • UNIVERSITA DEGLI STUDI DI TORINO (Italy)

Organisations related to the project:

  • ASSOCIACAO FRAUNHOFER PORTUGAL RESEARCH (Portugal)
  • DEUTSCHE SPORTHOCHSCHULE KOLN (Germany)
  • GESTIO SOCIOSANITARIA AL MEDITERRANI SL (Spain)
  • INSTITUT FUR EXPERIMENTELLE PSYCHOPHYSIOLOGIE GMBH (Germany)
  • INSTITUTO DE BIOMECANICA DE VALENCIA (Spain)
  • ISTITUTO SUPERIORE MARIO BOELLA SULLE TECNOLOGIE DELL’INFORMAZIONE E DELLE TELECOMUNICAZIONI ASSOCIAZIONE (Italy)
  • JOHANNITER OSTERREICH AUSBILDUNG UND FORSCHUNG GEMEINNUTZIGE GMBH (Austria)
  • KAASA SOLUTION GMBH (Germany)
  • LOUGHBOROUGH UNIVERSITY (United Kingdom)
  • UNIVERSITAET SIEGEN (Germany)
  • IP HEALTH SOLUTIONS BV (Netherlands)
  • JIN CO.,LTD. (Japan)
  • SEOUL NATIONAL UNIVERSITY (South Korea)
  • NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION TOHOKU UNIVERSITY (Japan)
  • UNIVERSITY OF THE SUNSHINE COAST (Australia)