日本からの参加例

INCAS(早稲田大学)

INCAS – Understanding institutional change in Asia: a comparative perspective with Europe

プロジェクトの目的

INCASプロジェクトはヨーロッパとの比較という観点から、アジアの制度変化におけるトップレベルの研究を進め、また高等訓練ネットワークを創出することを目的としている。コーディネーターはフランスのEcole des Hautes Etudes en Sciences Sociales (EHESS)であり、Oxford University, Freie Universität(Berlin自由大学)、日本の早稲田大学と共同で研究を行い、密接なネットワークを形成している。パートナーが、比較の基準として日本を選んだのは、これまでの日本研究の大きな研究成果、アジアにおける発展や、制度的変化における日本の大きな影響力、さらに、、我々研究チームが、これまで日本に関する研究を十分に蓄積をしたためである。

我々の研究アプローチは、比較資本主義における文献を参照することであり、金融や労働経済学、社会学、アジア研究などの様々な分野に精通した経済学者、経済歴史学者、政治経済専門家、社会学者、弁護士を集めることを目的としているため、本質的に学際的である。我々の主な目的は、以前の試みでは見過ごされてきた様々な側面を考慮する制度変化に関する新しい理論を提案することである。それはつまり成長と発展を伴うアジアの制度変化の歴史的経験を解明し、特に金融自由化と企業の多様性の増大との間にある関係、政治経済、社会経済学、そして法的枠組み間にある相互作用を明らかにすることである。こうした取り組みは上記に記載した学際的アプローチのみならず、企業特性におけるデータベースを結集した実証的な調査を必要とする。

INCASの各メンバーは、同様な議題(アジアと欧州の制度的変化)について自身の研究戦略を発展させてきた。そして当プロジェクトの目標は、包括的研究プログラムを構築するため我々のチームと共に知識移転を統括することである。

INCASの日欧協力について

早稲田大学・商学学術院教授、高等研究所所長 宮島英昭様

早稲田大学高等研究所はこれまで、EHESS, Oxfordと研究面の交流関係があり、いわゆるJSPSのcore-to-coreプログラム(本研究は独立行政法人日本学術振興会の「研究拠点形成事業(A.先端拠点形成型)」)に並行して申請した経緯がありました。

早稲田大学高等研究所はEHESS, Oxford,に加え、Berlin自由大学, UBC, Stanfordなどの研究者との共同研究を進めており、INCASに参加することで共同研究が促進されました。Horizon 2020による若手研究者の本学での受け入れが、研究を活性化しています。また、Core to coreの資金を利用して、本学若手研究者を、Oxford, BFU, 及び、EHESSに派遣することができることも利点です。

当時、研究代表者は、日本側資金資金として、科学研究費(基盤A)、及び、日本学術振興会「課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業グローバル展開プログラム」の資金を得ており、それをもとにHorizon2020に参加致しました。また、並行して、上記のCore to core programにも申請致しました。一度目の申請では、Horizon2020への相手国機関の申請を前提して、応募致しました。この1回目不採択後、Horizon2020が採択され、それをマッチングファンドとして、Core to coreの2度目の申請を行い、採択されました。

Project Details

Project Participants

Coordination:

  • ECOLE DES HAUTES ETUDES EN SCIENCES SOCIALES (France)

Organisations related to the project:

  • FREIE UNIVERSITAET BERLIN (Germany)
  • THE CHANCELLOR, MASTERS AND SCHOLARS OF THE UNIVERSITY OF OXFORD (United Kingdom)

International Partners:

  • WASEDA UNIVERSITY
  • MAISON FRANCO-JAPONAISE