社会的な課題への取り組み-食品安全、持続可能な農業林業、バイオ経済
社会的な課題への取り組み-食品安全、持続可能な農業林業、バイオ経済
最適化された再生産可能な生物資源の利用へ向けて、また持続可能な第一次生産加工システムへ向けての転換が必要となってきています。これらのシステムはより多くの食料、繊維、他のバイオ製品を最小限の入力、環境負荷、CO2排出、また最大限の生態系サービス、ゼロ廃棄物、さらに十分な社会的価値といった条件の下で生産せねばなりません。
農業、林業、漁業、水産業はバイオ産業とともにヨーロッパ社会経済の切り離すことのできない一部となっています。限られた天然資源の利用にたよりながら、これらの産業セクターは生物資源を生産加工し、顧客、また食品、飼料、バイオエネルギー、バイオ製品などの幅広い産業界の要求を満足させ、欧州の自立性を高め、雇用を生み出し、地方、沿岸部、海洋部にとり、欠くことのできないビジネスチャンスを提供しています。これらのセクターは研究イノベーションに基づく解決策を必要とする試練にも立たされています。
農業・林業
農業と林業はEUの社会において重要な役割をこれまで常に、また現在も果たしています。信頼のおける健全で栄養価の高い食品を供給し、また幅広い産業のための飼料や非食料製品も供給し、我々の景観を形成しかつ守り、市民に利益をもたらし雇用を提供し地方の活性化に資しています。研究活動、政策がこのセクターが現在直面している三つの課題に対処することを助けようとしています。つまり、増大する世界の食料需要を鑑み発展可能な食糧生産の確保、持続可能な天然資源の管理と気候変動への対策、またEUの農村地域のバランスのとれた領域的発展への貢献などが求められています。
安全で健康な食事のための農業-食品セクター
食の保障とは十分な供給を確保すことにとどまりません。安全で栄養価の高い食物を得られることが社会的、経済的に保障されなくてはならないのです。食物の消費は人々の健康、環境に大きな影響を持ちますが、与えられた課題は健康と環境への影響を最小限に抑えながらどのようにして消費者の要求と好みに答えるかです。食物、飼料の保障と安全、欧州の農業食品産業の競争力、食糧の生産、加工、消費の持続性に関する研究革新が求められています。
水産資源と海洋研究
海は地球の表面の70%以上を占め、水産資源は食料、エネルギー、バイオ製品に大きな貢献をもたらしています。本プログラムの目的は水産資源に対し持続可能な管理を行い、EUの海洋、河川、内水から最大限の水産資源の恩恵にあずかることにあります。
バイオ産業
化石燃料に基づいた欧州の産業を、低炭素、高効率な持続可能なもの転換することは大いなる挑戦です。従来からの産業プロセス、製品から環境負荷の低いバイオに基づいたものへの転換、バイオ精製所システムの建設、バイオ製品市場の開拓などが必要です。EUの化石燃料依存性を減らし、2020年に向けたエネルギー、気候変動に関する政策策定に貢献することが本プログラムの研究に求められています。